理科読日誌

カテゴリ:食べ物

みかんを楽しむ絵本たち

『みかんのひみつ』
鈴木伸一:監修  岩間史朗:写真
ひさかたチャイルド
2007年
¥1,200+税

『みかん』
なかがわりえこ:ぶん / やまわき ゆりこ:え
ブッキング
2008年
¥1,200+税

『みかん』(キンダーブック2002年1月号)
木原武士:指導
フレーベル館
¥438円+税

『くだもの』
平山和子
福音館書店
1979年
¥743+税

『くだもの いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』
いしかわこうじ
ポプラ社
2008年
¥880+税

『せんにんみかん 伊豆の昔話』(こどものとも 2019年1月号)
福知伸夫 再話・絵
福音館書店
¥389+税

『みかん』(かがくのとも1998年1月号)
中島睦子:作/こうやすすむ:監修
福音館書店
¥362+税


今年もみかんが美味しい季節を迎えていますね。
昨年は、みかんの皮を剥いていると、期待のまなざしで縦に揺れながら待ちわびる、なんとも言えずかわいい仕草を見せてくれていた、みかん大好き"みっつん"。
今年は「みかん、ちょーだい!」とリクエストできるまでになりました。
最近では、「おかあさん、みかん、どーじょ!」と勧めることで、間接的におねだりするという高等テクニックまで身につけてしまいました。
恐るべし、2歳児!

そんな"みっつん"、この冬は、みかんとみかんの仲間(柑橘類)との出会いをたくさん経験しています。
冬至の日には、ゆず湯に入りました。お風呂に浮かんだ柚子を見て、「みかん!」と大喜び。
「これは、柚子っていう、みかんのお友達だよ。お風呂に入れっちゃったのは、食べられないからね。」と話すと、「ゆず、たべらない(食べられない)」と自分に言い聞かせながら、ぷかぷか浮かんだ柚子をかき集めて堪能していました。

年末年始の帰省先では、金柑の甘露煮をいただきました。
甘くて、でもちょっぴりほろ苦い、小さな「みかん」のお友達:きんかんも、"みっつん"の「みかん辞典」の一部になったようです。

祖父母の家で、ぽんかんにも出会いました。
みかんより少し大きくて、皮が厚くて、"みっつん"の細い指では穴を開けられない「ぽんかん」、さらに、ぽんかんに似ているけれど、出っ張っている部分が特徴的な「でこぽん」にも出会いました。

お土産にいただいた、おばちゃま特製の「ゆずジャム」をつけたトーストは、最近の朝ごはんの幸せメニューです。

さらに、いただきものの「はっさく」は、「ぽんかん」みたいだけれど、もう少し「すっぱい」ということにも気づきました。

そこで満を持して登場させたのが晩白柚です。
直径30㎝ほどの巨大な晩白柚はまるでボウリングの球のよう。
"みっつん"、果敢にも皮に穴を開けようと挑みましたが、無念…大人がナイフを駆使し、奮闘して、ようやく分厚い皮が剥けました。
さわやかな実を楽しんだ後は、分厚い皮をお風呂に浮かべて「晩白柚風呂」を楽しみました。

そんな、柑橘類三昧な日々を過ごしている今がチャンス!と「みかん」が登場する絵本を何冊かまとめて読んでみました。
以前もご紹介した『みかんのひみつ』。みかんの写真を指さしながら「みかん!」、「みかん、食べる!」、「みかん、食べたね」など楽しげにおしゃべりをしてくれました。
様々な柑橘類の写真が載っているページを見ると、「ばんぺーゆ!」「みかん!」とテンションはさらに上がりました。
大きさが似ていて、見た目だけでは判別が難しいものも、私が指さしながら「これは、ぽんかん。ばーばのおうちで食べたね。皮が厚かったね。甘くておいしかったね」「これは、金柑。小さいね。この間、ひよどりさんが食べてたね。」などと話をすると、体験の一部を思い出した様子が見られたり、「ぽんかん」「きんかん」など確認するように復唱したりしていました。

かがくのともの『みかん』にも、キンダーブックの『みかん』にも、みかんの仲間が紹介されているページがあります。
キンダーブックでは、みかんの仲間が使われている加工食品が紹介されているページもあり、姿を変えたみかんの仲間も、身の周りにたくさんあるということに気づくきっかけになりそうです。

『くだもの』は、0歳からのお気に入りの1冊です。思わず舌なめずりをしてしまいそうな写実的な果物のイラストの数々に"みっつん"は毎回「みかん!」、「ぶどう!」と大興奮してしまいます。
最近は、「あーむ」と描かれた果物をつまんで口に入れるふりをして、「おいしーね。」と"ごっこ"遊びらしき表現もするようになってきました。

型抜きされたボードブックの『くだものいろいろかくれんぼ』も、0歳からのお気に入りです。
最近では、一人でぱらぱらとページをめくりながら、果物の名前を呼んだり、「ばなな、食べたね」、「みかん、あーむ」など、独り言に余念がありません。
ときどき、「そうだね、今日の朝、バナナ、ヨーグルトと一緒に食べたね。」などと話しかけると、嬉しそうに「ばなな、おいしかったね」と返してくれたりしています。


『せんにんみかん 伊豆の昔話』と、やまわきゆりこさんの『みかん』は、物語の絵本です。
どちらも、みかんが巨大に育つシーンが"みっつん"には印象的だったようで、「ばんぺーゆ!」と反応しておりました。
わたしにとっては、どちらもみかんの種が登場するところが印象的でした。最近は、種なしのみかんが多いけれど、本来は種を包んでいる実なんだよ、ということをそのうち"みっつん"と話してみたいです。

『いちご』

『いちご』
平山和子
福音館書店
1984年こどものとも年少版  1989年福音館の幼児絵本
¥800+税


"みっつん"はイチゴが大好きです。
最近は毎日のようにイチゴを堪能しているので、この絵本を読んでみました。
平山和子さんの、本物と見紛うばかりにリアルなイラストに、"みっつん"、「うわぁ~」と歓声を上げて見いっておりました。

そんな"みっつん"には大きさの感覚はあるのだろうか?と気になりまして、ちょっと試してみました。
大きいイチゴと小さいイチゴを見せて、「どっちがいい?」と聞いてみたところ、質問の途中で、迷わず大きい方を取ってパックリ食べちゃいました。
1歳1カ月児には大きさの違いが認識されており、さらに、好きなものは大きい方がいいと思っていることがわかりました。
大したものです。

『どんどこどん』

『どんどこどん』
和歌山静子
福音館書店
2008年こどものとも/2011年福音館の幼児絵本
¥800+税

土の中で「どんどこ」育っている、いろいろな植物が登場します。
葉っぱを見て「これは何かな?」と悩みながらページをめくると、土の中の様子が描かれています。
ニンジン・ジャガイモ・サツマイモ・・・。
「これは今朝食べたね。」、「甘くておいしいサツマイモだね。」などと話をしながら”みっつん”と楽しんでいます。

『みかんのひみつ』

『みかんのひみつ』
鈴木伸一:監修  岩間史朗:写真
ひさかたチャイルド
2007年
¥1,200+税

みかんが美味しい季節になってきました。
今年は猛暑のおかげでみかんが甘いのだと、みかん農家の方がお話ししているのをテレビで見ました。
確かに味が濃くて美味しいみかんに当たる確率が高いように感じます。

"みっつん"もみかん大好きで、皮を剥いていると、期待のまなざしで縦に揺れながら待ちわびる、なんとも言えずかわいい仕草を見せてくれます。

そんな彼は、みかんの写真にどんな反応をするかしら?とこの絵本を読みました。
だいぶ拡大された写真ですが、しっかりみかんと認識したようで、歓声を上げていました。

この写真絵本で、私がお気に入りのページは、みかん一房のツブツブを全てバラしてみたページと、いろいろなみかんの仲間がずらりと並んだページです。
前者は"みっつん"の琴線には触れず。
後者は、食いしん坊のハートをわしづかみだったようです。

一番大きなみかんの仲間、晩白柚をこの冬に食べさせてあげたいなぁ。
どんな反応をするか、今から楽しみです。

『ばばばあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき』

『ばばばあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき』
さとうわきこ:作  佐々木志乃:協力
福音館書店
2004年
¥900+税

ばばばあちゃんシリーズのむしぱん編です。
離乳食もだいぶ進んだので、蒸しパンを作ってみたいなと思い、せっかくなのでばばばあちゃんのレシピで作ってみることにしました。

 

レーズン入りとリンゴ入りを作りました。
目下、手づかみ食べがブームな"みっつん"がぱくぱく食べてくれました。
ばばばあちゃんに感謝です。

子どものころ、『こまったさん』・『わかったさん』シリーズが好きでした。
お菓子を作りたいので『わかったさん』のレシピが欲しいけれど、お話自体は『こまったさん』の方が面白い気がして、お小遣いでどちらを買おうかとっても迷ったのを覚えています。
悩んだ末に、利害が一致した姉が『こまったさん』を、私が『わかったさん』を買うことで手打ちにしたように思います。

食いしん坊は、本の中に登場する美味しいものを作って食べたくて仕方がなかったのです。
『ブンのはなしっぽ』を読んだらドーナッツを作って食べたくなったし、『おちゃめなふたご』を読んだらオイルサーディンのサンドイッチなるものを食べたい!と思ったものでした。
でも、当時はインターネットでレシピが検索できる時代でもなく、お手上げでした・・・。

だから、本そのものにレシピが載っているなんて、本当に素敵だと思います。
読んで楽しくて、作って食べて、さらに楽しめて、お得です。

『おいもさんがね・・』

『おいもさんがね・・』
とよた かずひこ
童心社
2012年
¥850+税

先日、三鷹の「星と森と絵本の家」へ行ってきました。
国立天文台の中にあり、大正時代に建てられた旧官舎の建物を利用しているので、おばあちゃんの家に遊びに行ったような気持ちになれる温かい雰囲気の施設です。

たまたまチビさん向けの読み聞かせが行われる時間にお邪魔することができました。

想定していたよりも小さい(0歳~1歳)参加者たちに、スタッフの方々が急遽プランを変えてくださって、この絵本を読み聞かせしてくださいました。
畳のお部屋での読み聞かせ、"みっつん"は最前列へハイハイで突進し、絵本の真ん前に陣取って食い入るように見入っておりました。
ページをめくるたびに「お~~~!」と声を上げて大興奮。
他のお友達のお邪魔になっていやしないかとハラハラしつつも、全身で楽しんでいる様子に嬉しい気持ちになりました。

サツマイモの美味しい季節になりましたね。
食いしん坊母子は「食欲の秋」を満喫中です。
せっかくこの絵本を読んでいただいたので、サツマイモご飯やサツマイモ入りの蒸しパンなどを作って”みっつん”と楽しもうと思います。

===
三鷹市星と森と絵本の家
〒181-0015 三鷹市大沢2丁目21番3号 国立天文台内
開館時間: 午前10時~午後5時
休館日:火曜日、年末年始(ほかにメンテナンス休館あり)
その他:飲食可能なスペースあり

『ぼくのぱん わたしのぱん』

『ぼくのぱん わたしのぱん』
神沢利子:ぶん  林 明子:え
福音館書店
1978年1月 かがくのとも
1981年 かがくのとも傑作集
¥900+税


パン好きな食いしん坊母の影響で、"みっつん"もパンが大好きです。離乳食も後期に入り、パンを使ったメニューも少しずつバリエーションが出てきました。

市販のパンはよく気を付けていないと、はちみつが入っていることがあったりするので、自分で美味しく焼けたらいいな・・・と思うようになりました。
そこで先日、パン作りが上手な友人に作り方を伝授してもらってきました。
ときどき、手作りパンが食卓にのぼったら・・・と、もくろんでいます。

そんなこともあって、パンの絵本を何冊か図書館で借りてきました。

これは私の癖なのですが、あるテーマの本をまとめて借りるようにしています。
何冊かまとめて読むことで、そのテーマをいろいろな角度から見渡すことができ、おぼろげながら全体像のようなものがつかめるし、短期間に繰り返し1つのテーマの話を読むことで、記憶にも残りやすいように思うからです。

この絵本はその中の1冊。
3人兄弟が自分たちでパン作りにチャレンジするようすが丁寧に描かれています。
分量が書かれていないのだけが残念!
書いてあったら、ぜったいに真似するのになぁ、とそこだけがもどかしいのですけれど、そこは他のレシピで補えばいいかな、と思うことにしました。

時間経過がさりげなく時計のイラストで示されているのが素敵です。
よく見ると10時ころに作り始めたパンが15時頃に完成しています。

"みっつん"がもう少し大きくなったら、この絵本を読んでから一緒にパン作りをしてみたいです。

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』


いしかわこうじ

ポプラ社

2011年

¥880+税

 


『くだもの いろいろ かくれんぼ』と同じシリーズのお野菜バージョンです。動物や乗り物、おもちゃなどいろいろあるのですが・・・食いしん坊は、ついつい食べ物を買ってしまいます。

ボードブック(ページが分厚い本)ですので、0歳児の"みっつん"に「好きに触っていいよー」と穏やかな気持ちで手渡せるところも嬉しいポイントです。

 


この絵本を読み聞かせするとき、「にょきっ」、「ごろん」といった効果音を強調して読むと"みっつん"はケタケタ笑ってくれます。

特にお気に入りなのが、キュウリの「ひょろ~り」。

私の読み方のせいだとは思いますが、毎回笑ってくれるので、読んでいる私もほっこりします。

 


私のお気に入りは、キュウリの型抜きページのクオリティが高いところです。表面のザラザラした感じがとても見事に表現されています。

 


最近は多くのお野菜や果物を通年で入手できるようになりました。

もちろん旬のモノのおいしさは格別ですが、一方で必要とする人のために通年で提供できるようにと努力してくださっている方々がいるおかげで、ふと思い立ったときに、手軽にいろいろなお野菜や果物が食べられるということにも感謝したいな、と思います。

『くだもの いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』

『くだもの いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』

いしかわこうじ

ポプラ社

2008年

¥880+税


食いしん坊親子で楽しんでいる、とってもカラフルで、ワクワクするしかけ絵本です。
たとえば、真っ赤なページに、丸い型抜きのページをめくって重ねると・・・リンゴがそこに!

ページのふちに、だんだん果物が増えていくのも、その果物の断面が描かれているのもとっても素敵です。
「これは食べたことあるね~」、「これはまだだね、どんな味がするのかな?」などと話しながら繰り返し楽しんでいます。
果物の色と形、模様に注目するきっかけにぴったりです。
この本に登場しない果物について、「この果物だったら何色のページにするんだろう?」、「どんな模様にするかしら?」、「どんな型抜きになるのかな?」と考えるのも楽しそうです。

ボードブック(分厚いページの本)なので、"みっつん"に安心して手渡せるのも嬉しいです。"みっつん"は、目下、型抜きページをいじるのが楽しいようです。型抜きのふちをなぞったり、手を穴にはめてみたり、くわえてみたり・・・。

シリーズがいろいろあるので、少しずつ読んでいきたいです。

『おいしいおと』

『おいしいおと』

三宮麻由子:ぶん  ふくしま あきえ:え

福音館書店

2002年6月 ちいさなかがくのとも

2008年 幼児絵本ふしぎなたねシリーズ

¥800+税

 


母譲りの食いしん坊な"みっつん"は、離乳食をもりもり食べています。
9ヶ月になり、食べられるものが増えてきました。

 


口だけでなく、目でも、鼻でも、そして耳でも美味しく味わってもらえたらいいな、と思っています。

今年の夏は「香り」をテーマにした実験教室を行いました。
その中で実施したとても簡単だけれど面白い実験をご紹介します。
ガリレオ工房メンバーのドードーさんから教えていただいた実験です。

【用意するもの】フルーツ味のグミ数種類

【やり方】
・2人組になり、Aさんは目を閉じて鼻をつまみ、口を開ける。
・Bさんはどれか1つグミを選んでAさんの口に入れる。
・Aさんはそのまま5回噛み噛みしてから、鼻をつまんだ手を外して、更に5回噛み噛みする。
・何味のグミか、どの段階で分かったかをBさんに伝える。

→ 鼻をつまんで噛み噛みしても、甘い味はするけれど、どのフルーツの味かはあまりよくわかりません。ところが、鼻を開放したとたんに香りがどっと押し寄せてきます。
わたしたちの味覚に、いかに香りが大きな影響を与えているのかが実感できます。
どんなグミでもよいのですが、小学生くらいの子どもたちと実験すると、香りの変化を楽しもうというよりも、「正解をあてるぞ!」という思いが強くなってしまうようで、グミの形状を舌で探ることに熱中してしまう子がいます。そこで、実験教室ではUHA味覚糖の「コグミ」という小さなグミを使いました。


"みっつん"がグミを口にする日は、まだまだ先ですが、いつかこの実験も一緒にチャレンジしてみたいです。