理科読日誌

2018年12月の記事一覧

『びよ~ん ぱっちん! わゴム』

『びよ~ん ぱっちん! わゴム』
西島歩:監修 
ひさかたチャイルド
2009年
¥1,500+税

"みっつん"のおもちゃにはゴムの木でできたものがいくつかあります。
気にして見てみると、木製のおもちゃにはけっこうゴムの木が使われています。
どうやら、ゴムの樹液を取るために計画的に植林されていて、樹液を取り終わった後に有効活用をしているようです。

そんなゴムのお話です。
樹液の採取から輪ゴムができるまでをかわいいイラストとともに紹介しています。
"みっつん"とは、ゴムでできたものを紹介したページをながめたり、ゴムの木のページをながめながら、「このオモチャはゴムの木でできているんだよ」などと話をしたりしています。

軽くて柔らかい手ざわりのゴムの木でできたおもちゃは、一緒に遊んでいるとほっこりします。

『ふゆめ がっしょうだん』

『ふゆめ がっしょうだん』
冨成忠夫、茂木透:写真  長 新太:文
福音館書店
1986年 かがくのとも  1990年 かがくのとも傑作集
¥838+税

めっきり寒くなり、すっかり葉を落とした木々がなんだか寒そうです。
でも、そんな冬の木もよく見ると、春に向けての準備がちゃくちゃくと進んでいて、ふっくらとした「冬芽(ふゆめ)」を見つけることができます。

そんな冬芽に注目したのがこの写真絵本です。
だれかの顔のように見える冬芽を集めています。

わたしたちの脳は、3つの点を見ると顔だと認識してしまうのだそうで、このような現象には「シミュラクラ現象」という名前がついています。

冬の間、"みっつん"と散歩をしながら、顔に見える冬芽を探してみようと思います。

『しずくのぼうけん』

『しずくのぼうけん』
マリア・テルリコフスカ:さく ボフダン・ブテンコ:え  うちだ りさこ:やく
福音館書店
1969年
¥900+税

『みずたまのたび』と同じように水の循環を描いた絵本です。
どちらの絵本にも、それぞれのすてきさがあります。

私にとっては、この絵本の魅力は、とにかく読んでいて楽しくなる耳に心地いい文章です。
”みっつん”にも楽しく聞こえるようで、ノリノリで聞いてくれることが多いです。

ただ冒険が長いので、"みっつん"は1冊まるまる聞くのは難しいのですが、階段を登るたびに数ページずつ楽しんでくれています。

『きらきら』

『きらきら』
谷川俊太郎:文  吉田六郎:写真
アリス館
2008年
¥1,000+税

めっきり寒くなってきましたね。
昨シーズンは東京でもしっかり積もるほどの雪が降りましたが、今年はどうなるのでしょう?

雪国の人には笑われてしまうかもしれませんが、大人になってからも雪を見るとちょっぴりウキウキしてしまいます。
雪が降ると、黒っぽい手袋やコートに雪を受け止めて雪の結晶を何とか見られないものか?と思わず試すのですが、体温ですぐに融けてしまい、なかなか見ることはできません。

そんな雪の結晶の美しい写真をたっぷりと味わいながら、谷川俊太郎さんの心がほっこりする温かな文を楽しむことのできる写真絵本です。
小さめのサイズなので、"みっつん"と電車やバスの移動をする日にバッグにしのばせて楽しんでいます。

写真をお撮りになった吉田さんは、人工雪の研究で有名な中谷宇吉郎博士の影響で雪の結晶の顕微鏡写真の撮影方法を極めるに至ったのだそうです。美しい結晶1つ1つから吉田さんの愛を感じる、素敵な1冊です。

『にじ』

『にじ』
さくらい じゅんじ:文  いせ ひでこ:絵
福音館書店
1992年 かがくのとも  1998年かがくのとも傑作集
¥900+税

お天気の絵本が読みたくなり、この絵本を開いてみました。
雨上がりに虹を見つけた少年が、飛行機から見たらどう見えるのか?見る場所が変わったら見え方は変わるのか?と考えます。
そして次の日に、家族と公園の噴水の周りで虹の見え方の秘密を探っていきます。

わずか30ページ足らずの薄い絵本ですが、中身はとっても濃くて、でも決して教え込まれることもなく、うきうきワクワク読み進めるうちに、虹についてちょっぴり理解が深まる、そんな素敵な1冊です。

”みっつん”とドライブをしていた時に、一度だけ虹が出ました。
でも、残念ながらベビーシートで後ろ向きに乗っていた”みっつん”には見えず・・・。
初めて虹を見たら、どんな反応をするのでしょう?
願わくば、その初体験のときに、近くで彼の反応を見てみたいなぁと思っています。

『すごい空の見つけかた』

『すごい空の見つけかた』
武田康男
草思社
2009年
¥1,600+税

”みっつん”との生活が始まり、もうすぐ1年です。
妊娠中から、それまでの生活とペースが変わりました。

それまでは、利便性の高い1つ先の駅まで自転車で移動し、一番速い電車で移動、到着した駅で一番階段に近くなる車両に乗車して・・・「時短」「最短」を求め、「効率」を愛して暮らしておりました。
それが妊娠をしてつわりでしんどいときには、すいている車両に乗るようになり、歩くペースがゆっくりになってからは、なるべく急いでいる方たちのご迷惑にならぬよう最後に電車を降りるようになりました。
"みっつん"と移動するようになってからは各駅停車しか停まらない最寄り駅まで、のんびり歩いて移動する機会も増えました。

どちらがいいとか悪いとかいうことではなく、生活が変わって感じていることは、見えるものも変化したな、ということです。
これまでも、空を見ているつもりでした。
珍しい天体現象が予定されている日にもアンテナを張っていましたし、珍しい空模様を写真に撮ったりもしていましたが、最近は「珍しくない空」をじっくり眺める機会が増えたように思います。

「珍しい」というのは、たくさんの「珍しくない」を知っているからこそ成り立つ感覚です。
"みっつん"と一緒に、「珍しくない空」をたくさんたくさん眺めながら、ときどき、この本で紹介されているような「すごい空」に出会えたらいいなと思っています。