実績 滝川洋二

滝川洋二の経歴

滝川洋二の理科教育研究者・実践家としての歩み

■ 教育現場から研究の世界へ
私のキャリアは、1979年国際基督教大学高等学校の物理教諭としてスタートしました。約27年間、高校生たちと向き合う中で、「人はどのように自然現象を理解していくのか」という問いを持ち続けました。この実践に基づく授業分析を深め、1984年に教育学博士号を取得。生徒がつまずきやすいポイントを解明し、より深い理解へと導く指導法の研究は、その後の活動の原点となっています。

■ 大学での教育・研究活動
高校教諭から、東京大学(特任教授)および東海大学(教授・教育開発研究所所長)に着任し、教員養成や教育カリキュラムの研究開発に従事しました。また、英国リーズ大学やケンブリッジ大学での訪問研究員としての経験を通じ、国際的な視点からの理科教育のあり方も探究してきました。これまでの研究成果は、多数の論文や著書として発表しています。

■ 「ガリレオ工房」と理科離れへの挑戦
「理科は難しい」「自分には関係ない」と感じてしまう「理科離れ」を解消し、「すべての人に科学の楽しさを」伝えるため、ガリレオ工房の前身の研究会を1996年立ち上げ、2002年「NPO法人ガリレオ工房」となり理事長を、2023年から名誉理事長として活動しています。「ガリレオ工房」では、誰もが手に入れられる身近な材料を使い、科学の原理を直感的に楽しめる実験を開発・普及させています。この草の根的な活動は、科学実験教室・サイエンスショーなどの形で全国に広がり、2005年には文部科学大臣表彰(科学技術賞・理解増進部門)を拝受しました。

■理科読で科学の本を読む文化を
科学読み物は、子どもにも大人にも学びのベースとして不可欠ですが、科学の本を読む文化は意識しないと広がらないため、「理科読シンポジウム」をガリレオ工房をベースに他団体とも協力して作り上げ、滝川『理科読をはじめよう』岩波書店を出版し、全国に理科読の運動を広げてきました。

■「理科カリキュラムを考える会」での世界標準の理科授業の追求
英国留学で、日本の教育を世界標準にしながら、世界の教育をよくするために理科カリキュラムを考える会を立ち上げ、2002年「NPO法人理科カリキュラムを考える会」となり理事長に。学校教育の理科に関し、世界の教育から学び、日本から世界に発信出来るように工夫してきています。OECDのPISA国際テストを創設した方を講師に招いたり、科学的探究、科学的な概念形成などを日本に根付かせ世界に発信する取り組みを続けています。

■ メディアを通じた科学コミュニケーション
教室の中だけでなく、広く社会全体に科学の魅力を届けることにも注力しています。 日本TV「世界一受けたい授業」、フジTV「ほこ×たて」、NHK「あさイチ」などテレビ出演は約100回程度、科学の楽しさを広く伝えてきました。監修活動も多岐にわたり、TVドラマ『ガリレオ』、映画『容疑者Xの献身』『沈黙のパレード』などで科学考証を担当。特に監修を務めたNHKの番組「大科学実験」は、大規模なスケールで物理法則を実証する試みとして、アブダビでのABU賞(最優秀賞)など、国内外の権威ある賞を多数受賞しました。また、日経サイエンス広告賞を受賞したNGKサイエンスサイトの監修や、テレビ大阪「120秒の科学」での映像祭受賞など、エンターテインメントと教育を融合させた発信を続けています。

■出版を通じての社会への発信
滝川とガリレオ工房の出版はすでに100冊を超えていますが、出版の中でも科学ブームを牽引してきました。名探偵コナンの科学版『名探偵コナン実験・観察ファイル』と,『名探偵コナン理科ファイル』の2種類のシリーズをガリレオ工房は監修。また、『図鑑NEO科学の実験』に続き『図鑑NEO新版科学の実験』は、出版と同時にAmazonなどですべての本で20位台になるなど、ベストセラー本を出しています。理科の先生の本棚などにはガリレオ工房の本が並んでいることが多く、身近な材料で安価なわかりやすいガリレオ工房の実験は、日本の教育を支えてきています。

■ これからの活動
現在は、これまでの経験を活かし、講演、執筆、テレビ番組の監修、外部委員など多岐にわたる活動を行っています。初めて科学に触れる子どもから、学び直しをしたい大人まで、すべての人が「科学って面白い!」と感じられるきっかけを作り続けることが、私のライフワークです。